この記事では、1986年から放送された初代アニメ『ドラゴンボール』の第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」について、ストーリーの結末から詳細なレビュー、独自の考察までを網羅して解説します。この記事を読むことで、占いババの宮殿で繰り広げられた死闘の全容や、各キャラクターの活躍、そして物語の重要な転換点となった伏線を完全に理解することができます。なお、本記事には重大なネタバレが含まれますので、未視聴の方はご注意ください。
第70話は、レッドリボン軍との激闘を終えた孫悟空たちが、行方不明の最後のドラゴンボールを求めて謎の占い師・占いババのもとを訪れる「占いババ編」の導入部を描いています。力押しのバトルだけでなく、相手の弱点を突く知略やコミカルな駆け引きが光る、初期ドラゴンボールの魅力が凝縮されたエピソードです。クリリンのまさかの敗北や、意外なコンビの活躍など、見どころが非常に多い一話となっています。
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この記事でわかること
- 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」のあらすじと決着の行方
- クリリン、ウパ、プーアル、ヤムチャら各戦士の活躍と評価
- 初期ドラゴンボールらしい「弱点攻略」を重視したバトル演出の魅力
- 物語の鍵を握る占いババのキャラクター性と今後の展開への影響
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の作品基本情報
本作『ドラゴンボール』は、鳥山明氏の同名漫画を原作とした日本を代表するアニメーション作品です。第70話が放送された1987年当時は、作品が本格的な格闘路線へとシフトしつつも、まだ初期特有のファンタジー色やユーモア、冒険要素が色濃く残っていた時期でした。まずは、このエピソードを支える基本情報と、物語の前提となる背景を確認しましょう。
| タイトル | ドラゴンボール(第1期) |
|---|---|
| 放送話数 | 第70話 |
| サブタイトル | 突撃!わたしたち5人の戦士 |
| 放送日 | 1987年7月15日 |
| 原作該当箇所 | コミックス第9巻(其之九十九「5人の戦士」) |
| 主な登場人物 | 孫悟空、クリリン、ヤムチャ、ウパ、プーアル、占いババ |
ストーリーの大きな流れは、レッドリボン軍を壊滅させた悟空が、桃白白に殺されたウパの父・ボラを生き返らせるためにドラゴンボールを集める場面から始まります。しかし、最後の1個だけがドラゴンレーダーに映らないという事態が発生します。亀仙人の助言に従い、一行は何でも見通す力を持つという占いババを訪ねますが、彼女は占いの対価として1,000万ゼニーという莫大な金額か、あるいは自身が用意した「5人の戦士」に勝ち抜くことを要求します。金のない悟空たちは、格闘の道を選ぶことになりました。
この第70話では、5人の選抜メンバー(悟空、クリリン、ヤムチャ、ウパ、プーアル)が結成され、ババの宮殿にある屋外リングでの勝ち抜き戦がスタートします。最初の敵は、ムエタイのような格闘スタイルを持つ吸血鬼ドラキュラマン。先鋒として自信満々に飛び出したクリリンでしたが、相手のトリッキーな吸血攻撃により窮地に陥ります。絶体絶命のピンチを救うため、戦う力を持たないはずのウパとプーアルが知恵を絞って立ち向かう姿は、本エピソード最大のクライマックスと言えるでしょう。単なる強さのインフレではなく、キャラクターの個性が勝利を呼び込む展開が描かれています。
バトルの流れは以下の通りです。
- 先鋒戦:クリリン vs ドラキュラマン。クリリンが血を吸われ、貧血状態で池に落とされ敗北。
- 次鋒戦:ウパ&プーアル vs ドラキュラマン。ニンニクと十字架(ポーズ)で吸血鬼を撃退し、勝利。
- 中堅戦:ヤムチャ vs スケさん。姿の見えない透明人間にヤムチャが苦戦。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の世界観・設定解説
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」は、物語が中盤の大きな山場である「占いババ編」に突入し、作品のジャンルが純粋なアドベンチャーから、後の『ドラゴンボールZ』へと繋がる「勝ち抜き形式のバトル」へとシフトしていく重要な転換点に位置しています。これまでのレッドリボン軍編では、広大な世界を舞台にした軍隊との戦争が描かれていましたが、このエピソードからは「占いババの宮殿」という限定された特殊な空間が舞台となります。この空間は、現世とあの世の境目に位置するかのような独特のミステリアスな雰囲気を纏っており、通常の物理法則や戦闘力だけでは推し量れない「怪奇・ファンタジー要素」が強く反映されているのが特徴です。
占いババの宮殿に課された「1000万ゼニー」と「5人の戦士」という絶対ルール
物語の舞台となる占いババの宮殿には、非常にシンプルかつ過酷なルールが存在します。行方不明の最後のドラゴンボールを見つけるため、悟空たちは世界最高の占い師である占いババを頼りますが、彼女が提示する占いの対価は、驚愕の「1000万ゼニー」という巨額の報酬、あるいは彼女が用意した「5人の戦士」を勝ち抜き戦で全滅させることという二択です。この設定は、金銭的な解決が不可能な主人公たちが必然的にバトルへと誘導される構造になっており、後の「天下一武道会」や「セルゲーム」といった格闘大会形式のプロットをより先鋭化させたものと言えます。さらに、試合会場となるリングの周囲は池になっており、場外負けが成立するなど、ルールそのものが武道会を意識した設計になっています。
| 項目 | 詳細・設定内容 |
|---|---|
| 舞台 | 占いババの宮殿(砂漠の中のオアシスに位置) |
| 占いの対価 | 1000万ゼニー または 5人の戦士への全勝 |
| 試合形式 | 1対1(一部特例あり)の勝ち抜きサバイバル |
| 勝利条件 | 相手を戦闘不能にする、または池(場外)へ落とす |
第70話におけるバトルの特筆すべき点は、単なる力のぶつかり合いではなく、「モンスターの特性」を利用した知略戦に重きが置かれていることです。対戦相手として登場する「ドラキュラマン」は、吸血鬼という伝承上の怪物をモチーフにしており、格闘技術(ムエタイ)と特殊能力(吸血・変身)を組み合わせた戦い方を見せます。これは、サイヤ人編以降の「戦闘力数値」による決着が主流になる前の、初期ドラゴンボールらしい「アイデアとユーモアによる攻略」が楽しめる最後期の期間とも言えます。ウパやプーアルといった、戦闘力が決して高くないキャラクターが知恵を絞って勝利を掴む展開は、読者に「強さとは力だけではない」というメッセージを提示しています。
シリーズ全体における第70話の位置付け:冒険から闘争への橋渡し
シリーズ全体の流れで見ると、第70話は悟空の成長過程における「精神的・技術的な成熟」を試す試練の場として機能しています。桃白白(タオパイパイ)を倒し、レッドリボン軍という地上最大の組織を壊滅させた悟空にとって、もはや地上の人間界には敵がいない状態に近いですが、占いババが呼び寄せる戦士たちは、霊界や魔界に関わる者たちであり、悟空に「未知の力への適応」を促します。また、このエピソードは後に再登場する「孫悟飯(じいちゃん)」との感動的な再会に向けた序曲でもあり、物語の感情的なピークを作るための重要なステップとなっています。ファンにとっては、初期のコミカルな雰囲気と、後のシリアスなバトル路線が絶妙なバランスで混ざり合った、贅沢なエピソードと言えるでしょう。
- 知略の重要性: クリリンのような武道家が「吸血」という搦め手に敗れることで、力以外の脅威が示されている。
- 多種多様なキャラクターの活躍: 悟空一人に頼らず、ヤムチャ、プーアル、ウパといった仲間全員に見せ場が用意されている。
- 設定の継承: 占いババのキャラクターやあの世との繋がりは、後の魔人ブウ編などでも重要な役割を果たす伏線となっている。
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ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の主要キャラクター紹介
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」では、これまでのレッドリボン軍との命がけの戦争とは一線を画す、個性的でユーモラス、かつ一癖あるキャラクターたちが物語を彩ります。このエピソードの最大の見どころは、主人公である孫悟空だけでなく、普段は一歩引いた位置にいる仲間たちが「5人の戦士」としてそれぞれ主役級のスポットライトを浴びる点にあります。格闘センスだけでなく、キャラクターごとの性格や意外な弱点が勝敗を分ける展開は、初期ドラゴンボールの真骨頂と言えるでしょう。
また、敵対する占いババ側の戦士たちも、単なる悪役ではなく「プロの興行師」のような独特の立ち位置で描かれています。ここでは、第70話で特に重要な役割を果たす主要キャラクターたちについて、その役割や性格、声優、そして彼らがなぜ今なおファンに愛され続けているのかを多角的に分析します。それぞれの関係性を整理することで、このエピソードが持つ多層的な面白さを改めて浮き彫りにしていきます。
| キャラクター名 | 役割 | 特徴・性格 | 声優(CV) |
|---|---|---|---|
| 孫悟空 | チームリーダー | 純粋無垢、圧倒的な実力 | 野沢雅子 |
| クリリン | 先鋒(第1試合) | 自信家、油断しやすい | 田中真弓 |
| ウパ | 次鋒(第2試合) | 健気、勇気ある少年 | 堀江美都子 |
| プーアル | 次鋒(第2試合) | 変身能力、忠誠心 | 渡辺菜生子 |
| ヤムチャ | 中堅(第3試合) | 義理堅い、不運な戦士 | 古谷徹 |
| ドラキュラマン | 第1の戦士 | 狡猾、吸血鬼 | 戸谷公次 |
| 占いババ | 宮殿の主 | 強欲、不思議な魔力 | 滝口順平 |
孫悟空:仲間を見守り、勝利を信じる心優しき最強の少年
本作の主人公である孫悟空は、第70話において、自らが戦うことよりも「仲間たちの活躍を見守る」という、後の師匠的な立ち振る舞いにも通じる落ち着いた姿勢を見せます。レッドリボン軍を一人で壊滅させた直後ということもあり、その戦闘力はチーム内でも群を抜いていますが、彼は決して自分一人の手柄にしようとはしません。仲間たちが「自分たちが戦いたい」と言えば、それを笑顔で快諾する器の広さを持っています。
この時期の悟空は、格闘家としての成長はもちろん、ウパの父親であるボラを生き返らせるという明確な目的意識を持っており、精神的にも非常に逞しく描かれています。声優の野沢雅子氏による、無邪気さと鋭さを兼ね備えた演技は、緊迫した試合展開の中でも視聴者に安心感を与えます。悟空の存在は、他の仲間たちが安心してそれぞれの戦いに集中できるための「精神的支柱」として機能しており、チームの絆を象徴する存在となっています。また、相手の強さを冷静に分析する目は、後の『ドラゴンボールZ』で見せる達人の風格の片鱗を感じさせ、キャラクターとしての奥行きを深めています。
クリリン:自信過剰が招いた痛恨の敗北と人間味あふれる魅力
第70話の先鋒として登場するクリリンは、ある意味でこのエピソードの「裏の主役」とも言える存在です。天下一武道会での経験を経て自信を深めていた彼は、「ここは僕がビシッと決めてやる」という意気込みでリングに上がりますが、その自信が仇となってしまいます。対戦相手のドラキュラマンを「ただの化け物」と侮り、相手のトリッキーな吸血攻撃に対して無防備であったことが敗因となりました。
クリリンの魅力は、こうした「失敗」や「情けなさ」を隠さずに見せる人間臭さにあります。完璧なヒーローではないからこそ、読者は彼に共感し、その後の成長を応援したくなるのです。声優の田中真弓氏が演じる、調子に乗った時の明るい声と、敗北した時の情けない声のギャップは絶妙で、物語にコミカルなリズムをもたらしています。この敗北は、悟空との実力差を再認識させる残酷な描写でもありますが、同時にクリリンというキャラクターが持つ「愛すべき三枚目」としてのポジションを確立させる重要なエピソードとなりました。彼の失敗があったからこそ、続くウパやプーアルの機転がより輝くことになったと言えます。
ウパ&プーアル:戦闘力ではなく「知恵」で勝つ、友情と勇気のコンビ
クリリンが敗北するという絶望的な状況で、次鋒として名乗りを上げたのがウパとプーアルのコンビです。この二人は決して「武道家」ではなく、純粋な戦闘力ではドラキュラマンに遠く及びません。しかし、彼らが示したのは、力の差を埋めるための「知恵」と「勇気」でした。ウパは父親を助けたい一心で恐怖を克服し、吸血鬼の弱点であるニンニクや十字架を活用するという、古典的かつ効果的な作戦を実行します。
一方のプーアルは、自らの変身能力を駆使してウパをサポートし、最終的には巨大な手に変身してドラキュラマンを叩き落とすという決定打を放ちます。この二人の活躍は、本作が格闘一辺倒の作品になる前の「アドベンチャー・ギャグ漫画」としてのアイデンティティを象徴しています。堀江美都子氏が演じるウパのひたむきさと、渡辺菜生子氏が演じるプーアルの献身的な態度は、視聴者の心を打ち、力だけがすべてではないという作品の初期テーマを体現しています。彼らの勝利は、悟空一人に頼り切るのではなく、仲間全員で目的を達成するという「チームの勝利」を印象づける感動的なシーンとなりました。
ヤムチャ:次なる死闘へ備える、不屈の精神を持つ元盗賊
第70話の終盤、中堅として登場するのがヤムチャです。かつては悟空のライバルとして登場した彼も、今では頼もしい仲間の一人として、占いババの宮殿に同行しています。このエピソードでのヤムチャは、クリリンの敗北を目の当たりにして緊張感を高めつつも、武道家としての誇りを持ってリングに向かいます。次戦の相手となる「スケさん」は姿が見えない透明人間という、非常に戦いにくい相手ですが、ヤムチャは持ち前の格闘センスで対抗しようと試みます。
声優の古谷徹氏が演じるヤムチャは、二枚目ながらもどこか不運が付きまとうキャラクター性が魅力です。彼が苦戦する姿は、視聴者に「次はどうなるのか」という強い引きを与えます。ヤムチャと悟空、クリリンとの関係性は、互いに高め合う良きライバルであり、同時に強い信頼で結ばれた戦友でもあります。第70話ではまだ彼の全貌は描かれませんが、ピンチに陥っても決して諦めない彼の姿勢は、この後のエピソードでさらなる盛り上がりを見せる「ヤムチャの戦い」への大きな期待を抱かせるものとなっています。
ドラキュラマン&占いババ:物語をかき乱すミステリアスな宮殿の住人
敵対する側として登場するドラキュラマンは、第70話における最大の障害です。ムエタイのような構えから繰り出される鋭い蹴りと、コウモリに変身して血を吸うという特殊能力は、従来の武道家たちとは全く異なる戦い方であり、悟空たちを大いに苦しめました。声優の戸谷公次氏による不気味な演技が、このキャラクターの「怪人」としての側面を際立たせています。
そして、これらすべての仕掛け人である占いババは、非常に強烈な個性を放っています。金の亡者でありながら、水晶玉を乗りこなす魔女のような風貌、そして亀仙人の姉という驚きの設定を持つ彼女は、物語に大きな謎とユーモアを注入しています。声優の滝口順平氏の「おっほっほ」という独特の笑い声は、彼女の食えない性格を見事に表現しており、視聴者に深い印象を刻みました。彼女の存在があるからこそ、「占いババの宮殿」という舞台が、ただのバトルフィールドではなく、何が起こるかわからないワンダーランドとしての魅力を放っているのです。
- キャラクター同士の化学反応:悟空の信頼、クリリンの失敗、ウパの勇気が連鎖することで物語が加速。
- 声優陣の熱演:野沢雅子、田中真弓らレジェンド声優による、キャラクターの個性を引き立てる息の合った演技。
- 初期の醍醐味:戦闘力勝負だけでなく、弱点攻略や変身能力といった特殊技能が勝利の鍵を握る構成。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」のストーリーあらすじを徹底解説
占いババ編:第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の幕開け
レッドリボン軍という強大な悪の組織を壊滅させ、ついに6つのドラゴンボールを手に入れた孫悟空でしたが、最後の1つの場所だけは、ブルマが作った高性能なドラゴンレーダーにも一切反応しませんでした。途方に暮れる一行に対し、亀仙人は「この世のあらゆる出来事を見通す占い師」である占いババの存在を教えます。悟空、クリリン、ヤムチャ、そしてウパとプーアルの5人は、最後のボールの所在を突き止めるべく、砂漠の彼方にある占いババの宮殿へと向かいました。到着した彼らを待っていたのは、不気味な水晶玉に乗った老婆、占いババでした。しかし、彼女の占いの代金は1000万ゼニーという、少年たちには到底払えない法外な金額だったのです。占ってもらうためのもう一つの手段、それは占いババが用意した「5人の戦士」に勝ち抜くことでした。悟空たちは仲間5人でチームを組み、命がけの「宮殿格闘試合」に挑むことになります。
試合会場は屋外のリングへと移り、ついに第一試合の火蓋が切って落とされます。挑戦者チームの先鋒として名乗りを上げたのは、天下一武道会でも目覚ましい活躍を見せたクリリンでした。悟空も戦いたがっていましたが、クリリンは「ここは僕に任せてよ」と自信満々にリングへ上がります。対する占いババ側の第一の刺客は、ムエタイのトランクスを履き、マントを羽織った不気味な男ドラキュラマンでした。彼はただの格闘家ではなく、その名の通り吸血鬼の能力を持つ特殊な戦士です。クリリンは序盤、相手を小馬鹿にするような態度を見せますが、ドラキュラマンの動きは予想以上にトリッキーでした。彼は素早い足技でクリリンを翻弄し、突如としてコウモリに変身して空中へと逃れます。死角からの攻撃に戸惑うクリリン。この油断が、後に悔やまれる事態を招くことになります。
バトルの緊張感が高まる中、ドラキュラマンは隙を突いてクリリンの頭部へと飛びかかりました。鋭い牙がクリリンの側頭部を捉え、容赦なくその血を吸い始めます。これには観戦していたヤムチャやブルマたちも驚愕の表情を浮かべます。大量の血を吸われたクリリンは、みるみるうちに顔色が悪くなり、立っているのもやっとという極限の貧血状態に陥ってしまいました。足元がふらつくクリリンに対し、ドラキュラマンは情け容赦のないトドメの一撃を放ちます。力なく突き飛ばされたクリリンは、リングの周囲に広がる池の中へと派手に転落。審判を務めるお化けくんによって場外負けが宣告されました。修行を積んだ武道家であるクリリンが、まさかの初戦敗退。この衝撃的な結末は、占いババの戦士たちが単なる力自慢ではないことを、悟空たちに痛感させることとなりました。
知恵と勇気の逆転劇!ウパ&プーアルの奇策
クリリンの敗北により、一行には重苦しい空気が流れます。次に誰が出るか揉める中、名乗りを上げたのは意外にも戦闘経験の乏しいウパと、変化の術の使い手であるプーアルでした。二人一組での参戦を特別に許可した占いババに対し、悟空は「大丈夫か?」と心配しますが、ウパの瞳には父ボラを生き返らせるための強い決意が宿っていました。第二試合が始まると、ドラキュラマンは二人を子供扱いして襲いかかろうとします。しかし、ウパとプーアルには秘策がありました。相手が吸血鬼であるならば、格闘能力ではなく「弱点」を突けばいいと考えたのです。ウパはあらかじめ用意していたニンニクを大量に口に含み、ドラキュラマンに向かって強烈な臭いを放つ息を吹きかけました。これには吸血鬼であるドラキュラマンもたまらず悶絶し、顔を背けて後退します。
攻勢に出るウパは、さらに追い打ちをかけます。彼は両腕を交差させ、自分自身の体を使って十字架のポーズを作りました。この聖なる(?)印を見たドラキュラマンは、本能的な恐怖に駆られてパニック状態に陥ります。吸血鬼の伝承を逆手に取った、初期ドラゴンボールらしいユーモラスかつ論理的な攻略法です。逃げ惑うドラキュラマンを、プーアルが援護します。プーアルは自らの変化能力を使い、巨大な「手」に変身。逃げ場を失ったドラキュラマンに対し、その巨大な手で強烈なビンタを浴びせ、そのまま池へと叩き落としました。ドラキュラマンは自ら降参を宣言し、見事にウパとプーアルのコンビが勝利を収めたのです。力で劣る者たちが、知恵と勇気を振り絞って強敵に打ち勝つこのシーンは、視聴者に大きな爽快感を与えました。
| 試合順 | 対戦カード | 勝者 | 決まり手・要因 |
|---|---|---|---|
| 第一試合 | クリリン vs ドラキュラマン | ドラキュラマン | 吸血による貧血からの場外押し出し |
| 第二試合 | ウパ&プーアル vs ドラキュラマン | ウパ&プーアル | ニンニクと十字架のポーズによる弱点攻略 |
| 第三試合 | ヤムチャ vs スケさん | (次話へ継続) | 透明化能力による一方的な攻撃に苦戦 |
姿なき脅威!中堅戦ヤムチャ vs 透明人間スケさん
1勝1敗のタイスコアで迎えた第三試合、中堅としてリングに上がったのは元盗賊のヤムチャでした。彼は「ここでビシッと決めさせてもらうぜ」と意気込みますが、占いババが送り出した第二の戦士スケさんは、なんと姿が全く見えない透明人間でした。試合開始の合図と共に、ヤムチャは何もない空間から飛んでくる拳や蹴りに翻弄されます。視覚に頼った戦闘スタイルが完全に封じられ、一方的にダメージを蓄積させていくヤムチャ。彼は目を閉じ、音や気配で相手の位置を探ろうと集中しますが、ここで卑劣な占いババが妨害工作に出ます。彼女は近くで騒々しく歌を歌い始め、ヤムチャの鋭い聴覚をかき乱したのです。これにより、ヤムチャは完全にスケさんの位置を見失い、絶体絶命のピンチに追い込まれてしまいます。
ヤムチャが防戦一方となり、リングの端まで追い詰められる中、仲間たちは必死に打開策を練ります。悟空は如意棒を振り回して相手を探そうと提案しますが、それはルール違反。しかし、敗北したクリリンが何かに気づいたような表情を見せます。彼はブルマに対し「ある頼み事」をするために駆け出しました。この戦いの決着は、次なるエピソードへと持ち越されることになります。この第70話は、格闘漫画としての熱い展開を維持しつつも、透明人間という「見えない敵」をどう攻略するかというミステリー要素と、仲間たちの連携プレーへの期待感を最高潮に高めた状態で幕を閉じます。読者は、ヤムチャがこの不条理な戦いにどう終止符を打つのか、そのカタルシスを求めて物語に引き込まれていくのです。
- 占いババの戦士の選出基準: ただ強いだけでなく、吸血鬼や透明人間といった「特殊能力」を持つ者を揃えている点に注目。これは後の天下一武道会とは異なる、占いババ独自の「興行」としての側面を表しています。
- ウパとプーアルのコンビネーション: 戦闘力が皆無に近い二人が勝てたのは、作品テーマである「友情」と「知恵」の象徴です。
- クリリンの油断と教訓: 強くなった自負が仇となったこの敗北は、クリリンが後に「より慎重で技巧派な武道家」へと成長するための重要な挫折として描かれています。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の見どころ・名シーン解説
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」は、物語が壮大なバトルへとシフトしていく中で、初期の魅力である「知恵」と「コミカルな演出」が最高潮に達したエピソードです。この回の最大の見どころは、単なる戦闘力の数値化された強さではなく、キャラクターたちの「個性」と「機転」が勝敗を分ける意外性にあります。レッドリボン軍との命がけの死闘を乗り越えた直後だからこそ、この占いババの宮殿での「奇想天外な試合」は、視聴者に新鮮な驚きとエンターテインメント性を提供しました。特に、クリリンのまさかの敗北から、戦闘力では劣るはずのウパとプーアルが勝利を掴み取るまでのカタルシスは、このエピソードの白眉と言えるでしょう。
クリリンの油断とドラキュラマンのトリッキーな猛攻
名シーンの筆頭に挙げられるのは、先鋒戦におけるクリリンの敗北シーンです。天下一武道会でベスト4に進出し、数々の強敵を倒してきたクリリンにとって、ムエタイのような構えを見せるドラキュラマンは「少し変わった格闘家」程度にしか見えていませんでした。しかし、ドラキュラマンが突如コウモリに変身し、クリリンの頭に噛みつく演出は、それまでの「格闘技」のルールを根底から覆す衝撃的な場面です。血を吸われて顔が真っ青になり、足元がフラフラになるクリリンの描写は、初期ドラゴンボール特有のユーモアを含みつつも、搦め手の恐ろしさを痛烈に印象付けました。演出面では、ドラキュラマンの素早い身のこなしと、コウモリへの変身シーンが滑らかに描かれており、不気味ながらもどこか愛嬌のある敵キャラクターとしての魅力を引き立てています。
| シーンの対象 | 注目の演出・ポイント | 読者にとっての意味 |
|---|---|---|
| クリリンの吸血シーン | 貧血でフラフラになるコミカルな作画 | 強者でも「弱点」を突かれれば敗北するリアリティ |
| ドラキュラマンの変身 | コウモリへのスムーズなアニメーション | ファンタジー要素が強い「占いババ編」の世界観を象徴 |
| ウパの十字架ポーズ | 腕をクロスさせるシンプルな勇気 | 「信じる力」が超常的な敵に打ち勝つ感動 |
| プーアルの巨大な手 | 変化の術を攻撃に転用する意外性 | サポートキャラが主役になれる瞬間の演出 |
また、この敗北によって「次は悟空が戦うしかないのか?」という緊張感が生まれた直後、ウパとプーアルが名乗り出る場面も非常に重要です。強敵を前に、子供であるウパと非力なプーアルが震えながらも立ち向かう姿は、視聴者の守護本能をくすぐりつつ、物語に「どうやって勝つのか?」というワクワク感をもたらしました。脚本の小山高生氏によるテンポの良い台詞回しは、絶望的な状況を笑いと期待感に変える見事な魔法をかけています。特に、ウパの純粋な瞳が、占いババの宮殿という邪悪な空気を一瞬で浄化するかのような演出は、作画監督・河合静男氏の描く柔らかいキャラクターラインによって見事に表現されています。
弱点を突く快感!ウパとプーアルが見せた「知恵の勝利」
第70話のハイライトといえば、なんと言ってもウパとプーアルによるドラキュラマン攻略シーンです。これは、格闘アクションがメインになりつつあった本作において、「吸血鬼にはニンニクと十字架」という古典的な弱点を持ち出した画期的な演出でした。ウパが口に含んでいたニンニクの強烈な臭いをドラキュラマンに吹きかけるシーンは、アニメオリジナルの過剰なまでの煙の描写と、ドラキュラマンの誇張された嫌悪の表情が重なり、最高のギャグシーンとなっています。さらに、ウパが「十字架だ!」と叫びながら腕を十字に組む姿は、初期の冒険活劇としての楽しさを象徴する名シーンです。力(パワー)ではなく、伝承や知識を武器にする展開は、後のインフレバトルにはない「人間味」を感じさせます。
- プーアルの献身的な変身: ウパを助けるため、そしてクリリンの敵を討つために、プーアルが「巨大な手」に変身してドラキュラマンを叩き落とす瞬間のダイナミズム。
- ドラキュラマンのコミカルな末路: 逃げ惑った挙句、自ら池に落ちて「ギブアップ」と叫ぶ、敵キャラながら憎めない引き際。
- 占いババのリアクション: 自分の戦士が予想外の負け方をした際の、ババの悔しそうな、しかしどこか楽しんでいるような複雑な表情。
- 仲間の絆: 敗れたクリリンを気遣いつつ、勝利した二人を称える悟空たちの温かい空気感。
この戦いの演出で見逃せないのは、背景美術と音楽の相乗効果です。占いババの宮殿というミステリアスな場所で、菊池俊輔氏によるおどろおどろしいBGMが流れる中、ウパたちの繰り出す「可愛い攻撃」が炸裂するギャップは、演出の橋本光夫氏の手腕が光るポイントです。「弱き者が強きを制す」というテーマが、これほどまでにコミカルかつ爽快に描かれた回は他にありません。声優陣の演技も素晴らしく、堀江美都子さん(ウパ)の凛とした少年の声と、渡辺菜生子さん(プーアル)の健気な叫びが、この勝利をより感動的なものにしています。視聴者はこのシーンを通じて、どんなに強い敵にも必ず突破口があるという、希望に満ちたメッセージを受け取ることになります。
姿なき強敵への絶望感:ヤムチャを襲う「透明人間」の恐怖
エピソードの終盤に配置されたヤムチャ vs 透明人間スケさんの対決は、前述のコミカルな勝利から一転、ヤムチャの絶体絶命の危機を描くことで物語を引き締めます。ここでの見どころは、画面上には何も映っていないのに、ヤムチャが一方的に殴打され、身体が浮き上がったり壁に叩きつけられたりする「透明人間」ならではの演出です。アニメ制作陣は、ヤムチャのダメージ描写と、スケさんが動いた際に生じる僅かな「音」や「土煙」を丁寧に描写することで、見えない恐怖を視覚化することに成功しました。ヤムチャが必死に耳を澄ませて気配を探る表情の緊迫感は、古谷徹氏の鬼気迫る演技によって、観客にも同じ恐怖を共有させます。
また、占いババが歌を歌ってヤムチャの聴覚を邪魔するという、狡猾かつシュールな妨害工作も、この試合の理不尽さを際立たせています。「真っ当な勝負をさせてくれない環境」という、占いババの宮殿そのものが持つ悪意が浮き彫りになる瞬間です。しかし、この絶望的な状況下でクリリンが「ある解決策」を思いつくという引きは、次話への期待感を最高潮に高める見事な構成です。第70話は、笑いと勝利で終わるだけでなく、最後には次なる難問を提示することで、視聴者の心をがっちりと掴んだまま幕を閉じます。この緊張と緩和のバランスこそが、第70話をドラゴンボール史に残る傑作回たらしめている理由なのです。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の名言・名セリフ集
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」は、初期シリーズ特有のコミカルな軽快さと、後のバトル路線へと繋がる緊張感が絶妙に混ざり合ったエピソードです。この回では、格闘の強さだけではなく、キャラクターの機転や、強欲ながらもどこか憎めない占いババの個性が光る台詞が数多く登場します。特に、強敵を前にした時の悟空の純粋な信頼や、クリリンの自信過剰が招いた結果など、言葉の一つひとつにその後の物語の伏線や、各人の武道家としての精神性が凝縮されています。
これらのセリフは、単なる台詞回しに留まらず、キャラクター同士の関係性や、占いババの宮殿という特殊な空間における「ルール」の重みを強調する役割を果たしています。読者の皆様にとっても、かつての懐かしい記憶を呼び起こすと同時に、初期ドラゴンボールが持っていた「知略で勝つカタルシス」を再認識させる重要な要素と言えるでしょう。以下に、第70話における印象的な名言と、その背景にある深い意味を詳細に解説していきます。
| 発言者 | 名言・名セリフ | 場面・背景の解説 |
|---|---|---|
| クリリン | 「天下一武道会でベスト4まで残ったんだ。あんな変な奴、あっという間に片付けてやるぜ!」 | 先鋒として名乗りを上げた際の一言。自身の成長への自負が油断を生む、敗北へのフラグとなった象徴的セリフ。 |
| 占いババ | 「金のない奴には用はない。占ってほしければ5人の戦士に勝ってみせな。ひっひっひ!」 | 宮殿の主として悟空たちに条件を突きつけるシーン。彼女の守銭奴ぶりと、興行師としての冷徹さが表れている。 |
| ウパ | 「悟空さん、僕たちに任せてください!父さんを生き返らせるためなら、怖くなんてありません!」 | 第2試合にプーアルと共に挑む際の決意。非戦闘員である少年が、愛する父のために恐怖を克服した勇気の言葉。 |
| ヤムチャ | 「姿が見えない相手にどう戦えばいいんだ…?このままでは一方的にやられるだけだぞ!」 | 透明人間スケさんの猛攻を受け、中堅として苦悩するシーン。武道家としての直感だけでは通じない絶望感が漂う。 |
まず注目すべきは、クリリンの自信に満ちた発言です。彼は亀仙人のもとでの過酷な修行を経て、世界規模の大会で実績を残したことで、明らかに慢心が生じていました。この「ベスト4」という言葉は、彼にとっての誇りであると同時に、対戦相手を甘く見る原因となってしまいます。ドラキュラマンという「格闘の常識が通じない相手」に対し、スペックの高さだけで勝とうとした彼の末路は、読者に「油断大敵」という教訓を強く印象付けました。これは後の『ドラゴンボールZ』でも見られる、強者が油断からピンチを招く伝統的な展開の原型とも言えます。
また、占いババのセリフは、彼女のミステリアスな立ち位置を補強しています。彼女は単なる悪役ではなく、あくまで「等価交換」を求めるビジネスライクな老婆として描かれています。1000万ゼニーという法外な金額か、命がけの試合かという二択を迫ることで、物語に緊迫したゲーム性をもたらしました。彼女の「ひっひっひ」という笑い声は、挑戦者が窮地に陥るほど輝きを増し、物語の進行役としての存在感を際立たせています。
- 「十字架だ!」(ウパとプーアルの機転):力では勝てない相手に対し、共通の弱点を突くという知略の勝利を象徴する名シーンでの言葉です。
- 「姿なき恐怖」(ヤムチャの独白):見えない敵という特殊な状況下で、いかにヤムチャが論理的に勝機を見出そうとしているかが伝わります。
- 悟空の「信じてるぞ」という無言の信頼:直接的なセリフは少なくとも、仲間を戦場に送り出す際の眼差しが、チームとしての絆を物語っています。
最後に、ウパの決意の言葉は、このエピソードにおける最大の感動ポイントです。彼は戦士ではありませんが、父・ボラを想う一心で強大なドラキュラマンに立ち向かいます。彼の純粋な勇気が、プーアルの変身能力と合わさることで「奇跡の逆転劇」を生むきっかけとなりました。このように、第70話の名言たちは、キャラクターの成長、敗北の苦さ、そして友情の強さを多角的に表現しており、視聴者の心に深く刻まれるものばかりです。これらの言葉の意味を汲み取ることで、占いババ編という物語の深みがより一層増して感じられることでしょう。
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ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の作画・演出・映像表現
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」は、東映動画(現:東映アニメーション)が誇る当時のトップクリエイターたちが集結し、初期シリーズ特有の「柔らかくも力強い」ビジュアルが完成の域に達したエピソードです。本作の映像表現における最大の特徴は、後の『ドラゴンボールZ』で見られるような鋭利な線によるスピード感重視の描写とは異なり、鳥山明氏の初期原画が持つ「丸みを帯びたフォルム」を忠実に再現している点にあります。この質感こそが、占いババの宮殿というファンタジー色の強い舞台設定と見事に調和しており、視聴者を一気に物語の世界観へと引き込む役割を果たしています。
演出面においては、バトルのテンポ感とコミカルなギャグ演出の「緩急の付け方」が非常に秀逸です。特にクリリンとドラキュラマンの対峙シーンでは、背景に霧が立ち込めるような不気味な色彩設計がなされており、ゴシックホラー的な恐怖感を煽りつつも、キャラクターの表情豊かなリアクションによって、作品本来の明るさを失わない絶妙なバランスが保たれています。また、アニメオリジナル要素として肉付けされた格闘描写は、原作の数コマに過ぎない攻防を数十秒のアクションへと昇華させており、制作陣の熱量が画面越しに伝わってきます。
| 項目 | 評価・特徴 | 映像表現の詳細 |
|---|---|---|
| 作画クオリティ | 非常に高い | キャラクターの表情が豊かで、ギャグとシリアスの切り替えがスムーズ。 |
| アクション演出 | 躍動感重視 | ドラキュラマンのムエタイ風の蹴りや、コウモリへの変身描写が滑らか。 |
| 背景・美術 | 幻想的 | 占いババの宮殿の不気味かつ神秘的な雰囲気を、独特の色彩で表現。 |
| エフェクト | 古典的魅力 | 煙や衝撃波の表現が丁寧で、初期ドラゴンボールらしい「質感」がある。 |
海老沢幸男氏による安定した作画とキャラクター描写の深み
第70話の作画監督を務めた海老沢幸男氏は、ドラゴンボールシリーズを長年支え続けた功労者の一人であり、氏の描くキャラクターは非常に安定感があることで知られています。本エピソードにおいても、クリリンの自信に満ちた表情から敗北時の滑稽な姿、そしてウパの幼いながらも決意を秘めた眼差しなど、各キャラクターの心理状態が視覚的に明確に描き分けられています。特にドラキュラマンの「コウモリへの変身」という異能の描写は、当時のセル画による手描きアニメーションの限界に挑むような滑らかさがあり、映像としての見応えを格段に高めています。
- 流動的な変身シーン:ドラキュラマンが人間からコウモリへ、またその逆へと変化する際の中間フレームが丁寧に描き込まれており、魔法的な変化が自然に感じられる。
- コミカルな身体表現:ウパが「十字架」のポーズをとる際のオーバーなアクションや、プーアルが巨大な手に変化して叩き落とす際の重力感のある描写が秀逸。
- 多角的なカメラワーク:リング上での戦いを俯瞰(ふかん)や煽(あお)りの構図を交えて描くことで、平面的な舞台でありながら立体的な戦闘空間を演出している。
また、音響演出との連動も忘れてはなりません。菊池俊輔氏によるミステリアスな劇伴BGMが、占いババの宮殿という特殊な環境下での戦いに「得体の知れない緊張感」を付与しています。静寂を破る打撃音や、ドラキュラマンの不気味な羽ばたき音など、細かな効果音が作画と完全にシンクロしており、視聴者の没入感を高めることに成功しています。このように、第70話は作画・演出・音響の三位一体が成す高い完成度によって、初期ドラゴンボールの魅力を象徴する一話となっているのです。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の音楽・OP/ED・声優演技
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」を語る上で欠かせないのが、作品の世界観を決定づけた珠玉の音楽と、キャラクターに命を吹き込んだレジェンド級の声優陣による演技です。本作は、後の『ドラゴンボールZ』のようなシリアスなバトル路線へと完全に移行する前の、アドベンチャーとコメディ、そして格闘が絶妙なバランスで混ざり合った時期にあります。そのため、劇中で流れる音楽や演出も、単なる高揚感だけでなく、占いババの宮殿という舞台設定に相応しい「ミステリアスな不気味さ」と「ユーモラスな軽快さ」の両立が図られています。視聴者は、高橋洋樹氏が歌うパワフルな主題歌に鼓舞され、菊池俊輔氏による情緒豊かな劇伴によって、物語の緊迫感と楽しさを同時に体験することになります。
また、声優陣の演技においても、この第70話は非常に贅沢な構成となっています。主人公の孫悟空(野沢雅子氏)だけでなく、クリリンやヤムチャ、さらにはゲストキャラクターであるドラキュラマンや占いババまで、個性が際立つ演技が物語に奥行きを与えています。特に、後に数々の強敵を演じることになるベテラン声優たちが、一話限りの刺客に魂を込めている点は、黎明期のアニメーションが持つ圧倒的な熱量を象徴していると言えるでしょう。ここでは、本エピソードを彩る主題歌、音楽、そして声優陣の演技について、それぞれの魅力と物語に与えた影響を詳細に分析していきます。
主題歌(OP/ED)と菊池俊輔氏による劇伴の魔法
オープニングテーマ『魔訶不思議アドベンチャー!』は、高橋洋樹氏の伸びやかな歌声と、冒険の始まりを予感させるブラス・セクションが特徴です。第70話の時点でも、視聴者の期待感を最大に高める役割を果たしています。対照的に、エンディングテーマ『ロマンティックあげるよ』は、橋本潮氏による叙情的なボーカルが、激しい戦いの後の静寂や、初期ドラゴンボールが持つ「女の子の冒険ファンタジー」としての側面を補完しています。これらの楽曲は、田中公平氏による編曲の妙もあり、数十年の時を経ても色褪せない輝きを放っています。
劇伴を担当したのは、特撮やアニメ音楽の巨匠・菊池俊輔氏です。第70話では、占いババの宮殿という閉鎖的な空間を表現するため、不気味な旋律や、コミカルなシーンでの「菊池節」全開の明るいBGMが効果的に使い分けられています。特に、クリリンが敗北する瞬間の絶望感や、ウパとプーアルが奇策で反撃に転じる際のカタルシスは、音楽の緩急によって何倍にも増幅されています。以下の表に、本作を支える主要なスタッフ・楽曲情報をまとめます。
| 項目 | 担当・タイトル | 特徴・役割 |
|---|---|---|
| オープニングテーマ | 魔訶不思議アドベンチャー! | 冒険心とワクワク感を象徴する王道の主題歌 |
| エンディングテーマ | ロマンティックあげるよ | 初期作品のロマンチックな空気感を伝える名曲 |
| 劇伴(BGM)作曲 | 菊池俊輔 | 重厚なブラスと軽快な木管楽器を操る巨匠 |
| 編曲 | 田中公平 | 後に数々のヒット曲を生む鬼才による華やかな編曲 |
| 第70話の音楽演出 | ミステリアス&コミカル | 占いババの怪しさとバトルの緊張感を演出 |
声優陣による迫真の演技:各キャラクターの個性を引き出す表現力
第70話の最大の見どころの一つは、キャラクター一人ひとりの感情がダイレクトに伝わる声優陣の演技です。主人公・孫悟空を演じる野沢雅子氏は、仲間の敗北に驚きつつも、どこか相手の強さを楽しむような少年の純粋さを完璧に表現しています。また、先鋒を務めたクリリン役の田中真弓氏は、序盤の自信満々な態度から、ドラキュラマンに血を吸われて弱り果てるまでの変化を、声のトーンだけで見事に演じ分けており、視聴者に敗北の衝撃を強く印象付けました。
さらに、敵役である占いババ役の滝口順平氏は、その独特な笑い声「おっほっほ」や、金に汚い老婆としての狡猾さを、唯一無二のキャラクター造形で演じ切っています。この回で登場したドラキュラマンを演じた戸谷公次氏も、吸血鬼としての威圧感と、弱点を突かれた際の情けないリアクションを見事に演じ、コミカルなバトルの面白さを底上げしました。主要キャラクターのキャストと、本作における演技のポイントを以下に整理します。
- 孫悟空(CV:野沢雅子): 仲間を信じる明るさと、格闘家としての冷静な観察眼を両立させた演技。
- クリリン(CV:田中真弓): 自信過剰から一転、惨敗を喫する際の人間味あふれるリアクションが秀逸。
- 占いババ(CV:滝口順平): 怪しげな老婆の雰囲気を、独特のテンポと抑揚で表現した至高の名演。
- ウパ(CV:堀江美都子): 父を想う純真な少年の勇気を、凛とした声で表現し視聴者の共感を呼ぶ。
- ヤムチャ(CV:古谷徹): 中堅戦への意気込みと、仲間への気遣いを見せる熱い青年ボイス。
このように、第70話は声優界の重鎮たちが揃い踏みしており、その演技の幅が作品のクオリティを押し上げています。単なる文字情報や絵の動きだけでは伝わらない「キャラクターの焦り」や「知恵を振り絞る決意」が、声の力によって鮮明に描かれており、これが初期ドラゴンボールが今なお愛される大きな理由の一つと言えるでしょう。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の結末・最終回解説
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の結末は、単なるバトルの決着に留まらず、キャラクターそれぞれの成長と「初期ドラゴンボール」特有のユーモア溢れる戦術の集大成となりました。第1試合で自信満々だったクリリンがドラキュラマンに敗北するという衝撃的な展開から始まった本エピソードですが、その窮地を救ったのは、チームの中でも戦闘力が低いと思われていたウパとプーアルの少年・マスコットコンビでした。彼らはドラキュラマンの吸血鬼という属性を冷静に分析し、格闘能力ではなく「弱点を突く」という機転で勝利を収めます。この結末は、後のシリーズで見られる「パワーによる圧倒」とは対照的な、初期作品ならではの「アイデアの勝利」を象徴する幕切れとなりました。
しかし、物語は勝利の余韻に浸る間もなく、次なる戦いへと急展開を見せます。占いババの用意した第2の戦士として現れたのは、その姿が一切見えない「透明人間スケさん」でした。中堅戦として名乗りを上げたヤムチャは、目に見えない敵からの猛攻に対し、手も足も出ない絶望的な状況に追い込まれます。物語のラストでは、ヤムチャが一方的に打ちのめされる中で、観戦していたクリリンが「ある秘策」を思いついた瞬間に幕を閉じました。この結末は、視聴者に対して「透明人間にどう立ち向かうのか」という強烈なヒキを残し、次話への期待感を最高潮に高める構成となっています。
| 対戦カード | 勝者 | 決着の決め手 |
|---|---|---|
| クリリン vs ドラキュラマン | ドラキュラマン | 吸血による貧血からの場外蹴り出し |
| ウパ&プーアル vs ドラキュラマン | ウパ&プーアル | ニンニクと十字架のポーズによる心理的圧迫 |
| ヤムチャ vs スケさん | (継続中) | 姿の見えない猛攻によりヤムチャが絶体絶命 |
物語の続きへの期待:透明人間攻略に隠された「鼻血作戦」の伏線
第70話のエンディングで描かれた「ヤムチャの苦戦」は、単なるピンチの演出ではなく、次回第71話で炸裂するドラゴンボール史上最もコミカルで有名な「鼻血作戦」への周到な伏線となっています。クリリンがブルマと亀仙人を呼び寄せた意図が、この時点ではまだ明確に明かされていない点が演出の妙と言えるでしょう。このエピソードの結末が示唆しているのは、占いババの宮殿での戦いが、純粋な武道家としての実力だけでなく、周囲の協力や「その場の機転」がいかに重要であるかというテーマです。
また、このエピソードの結末によって、ウパという少年の精神的な自立も描かれました。父・ボラを生き返らせるという強い目的意識が、自分より遥かに格上の怪物に立ち向かう勇気を生んだ事実は、物語後半での悟空との友情をより深いものにしています。以下に、この結末から読み取れる重要な解釈と今後の展望をまとめます。
- 「多角的な勝利」の定義:力だけでなく、知識(吸血鬼の弱点)が強敵を打破する鍵となる。
- チーム戦の醍醐味:クリリンの敗北をウパが補い、ヤムチャの窮地を仲間が救おうとする構図。
- 不気味な占いババの思惑:金に汚いババが、実は「あの世」と深く繋がっていることを予感させる謎の演出。
本作以降、物語はより強力な戦士との連戦へとなだれ込み、やがて「第5の戦士」という最大のサプライズへと繋がっていきます。第70話の結末は、まさにその壮大なクライマックスへと向かうための、最高の前座であり、仲間たちの絆を再確認させる重要なマイルストーンであったと評価できるでしょう。この戦いを経て、悟空たちは単なる冒険者から、守るべきもののために戦う真の戦士へと脱皮していくのです。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の考察・伏線・制作裏話
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」は、単なる勝ち抜き形式のバトル回に留まらず、シリーズ全体を通した「バトルの定義」が変化した重要なターニングポイントとして考察されています。これまでの物語では、悟空という圧倒的な個の力、あるいはブルマのメカニックといった「現代的な解決策」が主流でした。しかし、この占いババ編からは「魔法」「死生観」「オカルト」といったファンタジー要素が色濃く反映されるようになります。占いババというキャラクターが、あの世とこの世を繋ぐ特別な権限を持っているという設定は、後に『ドラゴンボールZ』で描かれる地獄や天界、そして復活の概念へと繋がる広大な世界観の伏線となっていたと言えるでしょう。
ファンの間では、この第70話における「クリリンの敗北」の必然性についても深く考察されています。クリリンがドラキュラマンに敗れたのは、単なる油断だけではなく、彼が正統派の武道家として成長しすぎたがゆえの「盲点」であったと解釈できます。亀仙人のもとで正々堂々と戦うことを学んだクリリンにとって、吸血という反則まがいの超自然的な攻撃は、想定の範囲外でした。一方で、戦闘力の低いウパとプーアルが勝利を収めたことは、初期ドラゴンボールのテーマである「勇気と知恵は、純粋な強さに勝る」というメッセージを強調しています。特にウパが十字架のポーズをとるシーンは、後のサイヤ人編以降では見られなくなる「属性の相性」による攻略の妙が詰まっています。
| 考察ポイント | 詳細・解釈 | 物語への影響 |
|---|---|---|
| バトルの変遷 | 純粋な格闘から、特殊能力や弱点攻略を重視するスタイルへ | 後のギニュー特戦隊戦などの特殊能力バトルの雛形 |
| 死生観の導入 | 占いババが「あの世」の住人を呼び寄せているという設定 | 悟空が死後も修行を続けるという『Z』の設定の布石 |
| ウパの成長 | 父ボラを思う一途な勇気が、怪物をも凌駕する展開 | 弱者が強者に勝つ「ジャイアントキリング」の象徴 |
制作裏話に目を向けると、このエピソードにはアニメオリジナル要素が多く盛り込まれ、スタッフの遊び心が随所に散りばめられています。原作の其之九十九「5人の戦士」では、クリリンとドラキュラマンの戦いは非常に短く描かれていましたが、アニメ版では海老沢幸男氏によるダイナミックなアクション演出が追加されました。ドラキュラマンがムエタイのような蹴り技を駆使するのは、当時の格闘技ブームを反映したアニメ独自の味付けです。また、脚本の照井啓司氏は、ドラキュラマンのコミカルな恐怖感を強調するために、占いババが歌を歌ってヤムチャを妨害するといった、アニメならではの「音の演出」を積極的に取り入れ、視聴者の没入感を高める工夫を凝らしました。
- 制作スケジュールの裏事情:当時のジャンプ連載との距離が近かったため、1話を膨らませる「引き伸ばし」が課題となっていましたが、本作ではそれを「キャラクター同士の掛け合い」を増やすことで、作品の深みとして昇華させています。
- 未回収の謎:占いババが1000万ゼニーという法外な金額を要求する真の目的は、実は「占いの館の維持費」以外にも、あの世の住人を現世に留めておくための特殊な対価だったのではないかという説がファンの間で根強く囁かれています。
- スタッフの意図:演出の橋本光夫氏は、不気味な宮殿を舞台にしながらも、視聴者である子供たちが怖がりすぎないよう、プーアルの変身シーンなどに明るい色調とテンポの良いBGMを多用したと語られています。
また、この回が持つ「チーム戦」の形式は、後の「サイヤ人襲来編」における地球戦士たちの共闘や、「ナメック星編」でのフリーザ一味との乱戦といった、多人数バトルの演出技法の基礎を築きました。特にヤムチャが中堅戦で苦戦する描写は、彼が単なる脇役ではなく、仲間のためにボロボロになりながらも活路を見出す「不屈の戦士」であることを再定義する意図があったと考えられます。透明人間という、映像作品としては最も表現が難しい敵に対して、どのように「見えない恐怖」をアニメで表現するか。スタッフは背景の歪みや土埃、そして声優陣の迫真のリアクションを駆使することで、この難題をクリアしました。このように、第70話は単なる一エピソードに留まらず、アニメスタッフの技術的挑戦と、原作の魅力を最大限に引き出す工夫が結晶した傑作回なのです。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」の視聴方法・配信情報
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」を視聴するための環境は、現在非常に充実しています。本作は日本を代表するナショナルコンテンツであるため、主要な動画配信サービス(VOD)の多くでラインナップされており、デバイスを問わず手軽に楽しむことが可能です。特にU-NEXTやdアニメストア、DMM TVといったアニメ作品に強いプラットフォームでは、全153話が定額見放題(サブスクリプション)の対象となっています。これらのサービスでは、初回登録時に提供される無料トライアル期間を利用することで、実質無料で第70話を視聴することも可能です。さらに、Amazon Prime Videoなどの大手プラットフォームでも、レンタル形式や追加チャンネル(アニメタイムズなど)を通じて配信されており、ユーザーのライフスタイルに合わせた選択ができます。
また、海外においても本作の支持は圧倒的であり、Crunchyrollなどのグローバル配信サイトを通じて世界中のファンに届けられています。ただし、日本国内から視聴する場合は、権利関係の都合上、国内向けのサービスを利用するのが最もスムーズです。第70話は、物語が「占いババ編」へと大きく動き出し、格闘バトルの緊張感と初期特有のユーモアが最高潮に達するエピソードです。高画質なデジタルリマスター版を配信しているサービスを選べば、1987年当時の映像美を現代の美しい画面で鮮明に堪能できるでしょう。一方で、物語の続きが気になる場合は、一気見が可能なサブスクリプションサービスが圧倒的に推奨されます。
| サービス名 | 配信形態 | 特徴 |
|---|---|---|
| U-NEXT | 見放題 | 31日間の無料トライアルあり。画質が非常に安定している |
| dアニメストア | 見放題 | 月額料金が安く、アニメ特化型の検索機能が充実 |
| DMM TV | 見放題 | 新作から旧作まで幅広く、コスパに優れたサービス |
| Amazon Prime Video | レンタル/追加ch | 既存のPrime会員なら手軽にレンタル視聴が可能 |
| TSUTAYA DISCAS | 宅配DVDレンタル | 配信のない特典映像や当時の物理メディアを重視する人向け |
Blu-ray/DVD情報とコレクターズアイテムとしての価値
物理メディアで第70話を所有したいファンにとって、最も代表的なのは「DRAGON BALL DVD-BOX DRAGON BOX」です。これはTVシリーズ全153話を網羅した豪華なボックスセットで、現在は中古市場が中心となりますが、当時の放送順に忠実な構成とファン垂涎の特典が魅力です。第70話は単品DVDの第12巻から13巻付近に収録されており、ネット環境に左右されず、いつでもお気に入りのシーンを繰り返し再生できるのがメリットです。残念ながら、2026年現在においても初代『ドラゴンボール』のTVシリーズ単体でのBlu-ray BOX化は公式にアナウンスされていませんが、配信サイトでのHDリマスター化が進んでいるため、最高画質を求めるなら配信、コレクション性を重視するならDVDという使い分けが一般的です。
また、DVD特典として当時の設定資料や解説冊子が付属しているケースもあり、作品の裏側まで深く知りたい熱狂的なファンにとっては、配信にはない価値があります。特に占いババの宮殿の美術設定や、ドラキュラマンといった個性豊かな刺客たちの初期デザインを確認できるのは、物理メディアならではの楽しみと言えるでしょう。これから視聴を始める方も、当時リアルタイムで楽しんでいた方も、現在の多様なプラットフォームを活用して、この伝説的なエピソードを改めて目撃してください。
- デジタルリマスター版の普及: 近年の配信サービスでは、ノイズを除去した鮮明な映像で第70話を楽しめます。
- スマホ・タブレット対応: 外出先でも手軽に「占いババ編」の熱い戦いをチェック可能です。
- 多言語対応: 海外配信版では英語字幕や吹き替えも存在し、国際的な評価の高さが伺えます。
ドラゴンボール 第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」のまとめ・総合評価
アニメ『ドラゴンボール』第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」は、物語が壮絶な死闘へとシフトしていく中で、初期鳥山ワールドが持つ「奇想天外な発想」と「コミカルな逆転劇」を完璧に融合させた珠玉のエピソードです。レッドリボン軍編というシリアスな戦いを終えた直後だからこそ、占いババの宮殿という怪奇的な舞台で見せた「弱点を突く勝利」は、視聴者に強烈な爽快感を与えました。単なるパワーの数値化ではなく、個人の知恵とキャラクター性が勝敗を分けるこの回は、今なお多くのファンに語り継がれる名作と言えるでしょう。
強くおすすめしたい人
本作を特におすすめしたいのは、後の『ドラゴンボールZ』で見られるような圧倒的な破壊力によるバトルよりも、「初期のアドベンチャー要素やユーモア」を愛するファンです。特に、以下のような視聴者には深く刺さる内容となっています。
- 知略バトルが好きな人:真っ向勝負だけでなく、ニンニクや十字架といった意外なアイテムが勝機を掴む展開にワクワクする方。
- サブキャラクターの活躍が見たい人:悟空一人に頼らず、クリリンの挫折やウパ&プーアルの勇姿など、チーム全員に見せ場がある構成を好む方。
- レトロアニメの演出を楽しみたい人:1980年代特有の柔らかい作画と、菊池俊輔氏によるミステリアスな劇伴の調和を味わいたい方。
おすすめしない人
一方で、以下のような要素を求める視聴者には、少し物足りなさを感じる可能性があります。
- インフレした戦闘力を求める人:惑星を破壊するような一撃や、超サイヤ人のような変身劇を期待すると、スケールの小ささに拍子抜けするかもしれません。
- シリアス一辺倒を好む人:鼻血やギャグによる決着が多いため、物語に常に緊張感と重厚さを求める方には「ふざけすぎ」と感じられる場合があります。
| おすすめの次に見るべき作品 | おすすめする理由 |
|---|---|
| 『Dr.スランプ アラレちゃん』 | 同じ鳥山明原作。本作第70話と地続きのユーモアとナンセンスな笑いの原点があるため。 |
| 『幽☆遊☆白書』(暗黒武術会編) | 「チーム戦による勝ち抜きバトル」の面白さを極限まで高めた作品として、構成上の共通点が多い。 |
| 『HUNTER×HUNTER』(試験編) | 知恵や心理戦を駆使して格上の敵に挑むプロセスが、本作の「弱点攻略」に通ずる面白さがある。 |
作品全体の総合評価・視聴後の満足感
第70話「突撃!わたしたち5人の戦士」を視聴し終えた後に残るのは、「これこそがドラゴンボールの原点だった」という深い充足感です。現代のバトル漫画では、敵を倒すために「さらなる修行」や「新たな覚醒」が必要とされるのが常石ですが、このエピソードでは「持っている知識をどう使うか」という人間味あふれる解決策が提示されています。クリリンが油断から敗北し、非戦闘員に近いウパとプーアルが勇気を振り絞って勝利を掴む流れは、弱者が強者に勝つカタルシスの理想形です。
また、占いババというキャラクターの「金にがめつく、しかし実力は本物」という強烈な個性も、物語に程よいスパイスを加えています。ただの通行人ではない、世界観を拡張するガイドとしての彼女の存在が、後の「あの世」や「界王神」といった壮大な設定への布石となっている点も見逃せません。映像面においても、海老沢幸男氏による安定したキャラクター造形は、鳥山明氏の描く「可愛らしくも力強い少年時代」を完璧に再現しています。
最後に一押しするならば、この第70話は「ジャンプ漫画におけるトーナメントバトルの教科書」であるということです。意外な敗北、意外な伏線、そして次なる強敵への引き。30分という限られた時間の中で、これほどまでに密度が高く、かつ視聴者を笑顔にする構成は稀有です。もしあなたが、最近のハイレゾなアニメーションに少し疲れ、アニメが本来持っていた「純粋なワクワク」を取り戻したいのであれば、迷わずこの第70話を再生すべきです。そこには、世界中を虜にした『ドラゴンボール』の魂が、最も純粋な形で息づいています。
ドラゴンボール 第70話に関するよくある質問
- 第70話でクリリンがドラキュラマンに負けた理由は?
- 天下一武道会での実績から来る「油断」と、相手の「吸血」という搦め手に対応できなかったためです。物理的な戦闘力では上回っていましたが、血を吸われて貧血状態になった隙を突かれました。
- ウパとプーアルはどうやって勝利したのですか?
- 吸血鬼であるドラキュラマンの弱点を突き、ウパがニンニクの臭いを吹きかけ、十字架のポーズで威嚇しました。最後はプーアルが大きな手に変身して叩き落とすという、知恵と変身能力の合わせ技で勝利しました。
- 占いババが悟空たちに戦いを強いた目的は何ですか?
- 占いの代金である1000万ゼニーを払えない悟空たちに対し、自身の宮殿を維持するための「興行(試合)」として5人の戦士との戦いを対価として提示しました。
- 第70話の最後に出てきた「スケさん」の正体は?
- 占いババが用意した第2の戦士で、その名の通り「姿が一切見えない透明人間」です。ヤムチャが挑みますが、視覚に頼る攻撃が通用せず大苦戦を強いられます。
- このエピソードは原作漫画のどこに該当しますか?
- 単行本第9巻に収録されている其之九十九「5人の戦士」が該当します。アニメ版ではバトルの描写が大幅に肉付けされ、よりダイナミックなアクションが追加されています。
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